
脱毛は短くても1年、長ければ3~4年ほどかかります。
女性であれば、その間に結婚したり妊娠したりすることもありますが、そんなときに気になるのが、
「赤ちゃんに悪影響はない?」
ということでしょう。
そこで今回は、妊娠中の脱毛に関するさまざまな不安や疑問、赤ちゃんや母体への影響について解説していきます。
また、妊娠予定の方が安心して通える脱毛サロンやクリニックも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
- 脱毛期間中に妊娠が発覚。このまま通い続けても大丈夫?
- 妊娠に気づかずに脱毛を受けてしまった!赤ちゃんに悪影響はない?
- せっかく契約したのにやめるのはもったいない。何か良い方法は?
- 妊活中でも通えるサロンはある?
妊娠中でも脱毛はできるの?
残念ながら、妊娠中に施術が受けられる脱毛エステや脱毛クリニックはほとんどありません。
初回のカウンセリングでは、妊娠しているかどうかの確認が必ずありますし、脱毛開始後も、妊娠が分かった時点で施術は受けられなくなります。
では、なぜ妊娠中に脱毛ができないのでしょう。
と考える人は多いと思いますが、そうではありません。次から詳しく解説していきます。
光脱毛やレーザー脱毛はお腹の赤ちゃんに影響はない!そのワケは?
「妊娠しているのに気づかずに脱毛を受けちゃった。どうしよう。」と心配している人は、安心して大丈夫。
脱毛の施術が、赤ちゃんに何か直接的な悪影響を与えることはありません。
それは、以下の2つの理由からです。
光やレーザーはメラニン色素にだけ反応するから
光脱毛のフラッシュやレーザーを肌に照射すると、毛根の黒いメラニン色素が光やレーザーを吸収して熱を発生させます。
すると、毛の成長をつかさどる毛乳頭や毛母細胞が熱によって破壊され、毛が生えなくなるというのが、光脱毛やレーザー脱毛の仕組みです。
光脱毛やレーザー脱毛の光は、安全な可視光線だから
光脱毛や医療レーザー脱毛で使用するピカッとまぶしい光は、可視光線という種類の光です。
光は、波長の長さによって分類され、短いほどエネルギーが強く、体に与える影響も大きくなります。
波長は短いものから、以下のような順になっています。
- ガンマ線
- X線
- 紫外線
- 可視光線
- 赤外線
- 電波
ガンマ線は、非常に透過性が高く臓器まで届くため、ガン治療などに使用されます。
X線は、みなさん良くご存じのレントゲンに用いられる光。
そして、紫外線は太陽光に含まれる光の1つで、シミやシワ、肌の老化などを引き起こす可能性のある光です。
一方、光脱毛やレーザー脱毛に使われる可視光線は、照明から発せられるのと同じ種類の光で、体に害を及ぼすものではありません。
また、可視光線は皮膚表面のごく浅い部分までしか届かず、レントゲンのように体内を通過する性質もありません。
そういった意味でも、子宮やその他の内臓には影響がないと言えるのです。
なぜ妊娠中は脱毛ができないの?
光脱毛やレーザー脱毛が、胎児に影響を与えないのなら、なぜ、エステやクリニックでは、妊娠中の脱毛ができないのでしょうか。
それには、以下のような理由があります。
【理由①】肌トラブルが起こりやすい
妊娠中、女性の体にはさまざまな変化が現れます。
これは、お腹の中の赤ちゃんを守るために、ホルモンバランスが通常とは変わることが原因です。
肌に関しては、以下のような症状が出る妊婦さんが多くなります。
- 乾燥しやすくなる
- 汗をかきやすく、かゆみや湿疹が出やすくなる
- メラニン色素の生成が活発になることで日焼けによる色素沈着がしやすくなる
そのため、普段は何ともない脱毛の施術が刺激となり、赤みが出たり、痛みを強く感じやすくなったりします。
【理由②】妊娠中は毛深くなる人が多い!脱毛してもあまり意味がない
「妊娠したらムダ毛が濃くなった」という話を聞いたことはありませんか?
妊娠中は、プロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンが多く分泌されます。
プロゲステロンは、子宮内膜を厚くする、体温を上げるなど、妊娠を継続させるための重要な働きをしていますが、毛周期を伸ばす働きもあります。
そのため、妊娠中は本来抜けるはずの毛が抜けずに、体毛が濃くなる傾向にあります。
一方、出産後プロゲステロンが一気に減少すると、今度は毛がたくさん抜けます。出産後に抜け毛が多くなったと感じるのはこのためです。
【理由③】体が冷え、お腹が張る原因になる
施術時は薄着になり、長時間お腹や足、腕などを出さなければいけません。
冷たいジェルを塗ったり、保冷剤で脱毛部位を冷やしたりもしますし、痛みを緩和するために冷却ガスを噴射するタイプのマシンもあります。
体の冷えはお腹が張る原因になり、また、妊婦さんの大敵である便秘や腰痛などを引き起こしやすくなります。
【理由④】同じ姿勢や無理な体勢になるのが辛い
脱毛の際は、仰向けやうつ伏せの体勢を、一定時間続けなくてはいけません。
妊婦さんにとって辛い体勢もあり、また、長時間同じ体勢でいることで血流が悪くなり、気分が悪くなることもあります。
【理由⑤】妊娠線ができやすくなる
妊娠線とは、急激に大きくなるお腹に皮膚の伸びがついてこられず、皮下組織が断裂してできる痕のこと。
1度できてしまった妊娠線はきれいに消すことが難しいので、予防ケアが重要になります。
妊娠線の予防には、急激に体重を増やさないこと、保湿ケアをして肌を柔軟に保つことが大切です。
光脱毛やレーザー脱毛は肌を乾燥させるので、妊娠中はおすすめできません。
脱毛中に妊娠していることがわかったらどうすればいい?
妊娠が分かったら、まずはエステやクリニックに連絡しましょう。その後の選択肢は3つあります。
- 何もする必要なし(期間無制限プランの場合)
- 休会する
- 退会する
詳しく見ていきましょう。
契約期間を確認する
出産後、脱毛を再開したい人におすすめなのが、脱毛期間の制限がない「期間無制限プラン」です。
期間無制限プランには、2タイプあります。
- 回数内なら何年かけて通っても良いもの
- 期間も回数も制限がないもの
以下は、無期限プランのあるサロンやクリニックです。
エステサロン | ミュゼプラチナム/ラココ/銀座カラー/キレイモ/シースリー/ストラッシュ |
---|---|
クリニック | 湘南美容クリニック |
また、無制限ではないものの、有効期限が4~5年と長いプランもあります。
現在脱毛中の人は、申し込んでいる契約内容を確認してみましょう。
休会制度を利用する
サロンやクリニックの多くは、妊娠、病気などで通えなくなった際に利用できる「休会制度」を設けています。
期間無制限ではないコースを申し込んでいる場合でも、出産後体調が落ち着くまでの間「お休み」という形が取れます。
以下は、休会制度のあるサロンやクリニックです。
エステサロン | ミュゼプラチナム/脱毛ラボ/エピレ/銀座カラー/レイビス/ストラッシュ/エステティックTBC |
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クリニック | アリシアクリニック/フェミークリニック |
解約する
毎月一定金額を支払う「月額コース」の場合、通っても通わなくても毎月の支払いが生じます。
休会制度がない場合は、妊娠が分かった時点ですぐに解約しましょう。
また、支払いが完了しているコースでも、返金システムがあれば、通えなかった回数分の料金が戻ってきます。
期限付きで、なおかつ期限内で消化できないようなら、早めに連絡をして解約手続きをしてください。
妊娠中でも脱毛できる部位はある?
と思う方もいるかもしれませんが、妊娠中の脱毛は部位に関わらずできません。
妊娠中に脱毛ができないのは、光やレーザーが直接胎児に影響を与えるからではなく、脱毛の施術が妊婦さんの体に負担をかけるからです。
脱毛の際の痛みや冷えによる刺激で子宮収縮を起こし、切迫早産などが起こるリスクもゼロではありません。
クリニックやサロン側は、万が一のことが起こっても責任は負えません。
また、バレないからと言って、妊娠を隠して施術を受けることもすべきではありません。
その他、妊娠中にNGな脱毛方法
光脱毛や医療レーザー脱毛のほかにも、妊娠中には避けた方がいい脱毛方法があります。
肌が乾燥しやすい「家庭用脱毛器」
妊娠中は、ホルモンバランスの関係で肌が乾燥しやすくなり、メラニン色素が増えて黒ずみができやすくなります。
そのため、普段より脱毛の際の痛みを強く感じ、肌荒れが起こる可能性が高くなります。
また、自分で脱毛器を使用する場合、足やVラインは前かがみ、ワキは体をひねるなどのつらい体勢になりがちです。
無理な体勢や、長時間同じ姿勢でいることは、体の負担になるので避けた方が良いでしょう。
肌トラブルをまねく「カミソリ」
カミソリは、簡単で手軽な自己処理方法ですが、ムダ毛と一緒に肌表面も削ってしまうため、肌がダメージを受けやすく、乾燥もしやすいです。
妊娠中の敏感な肌にはおすすめできません。
痛みの強い「ブラジリアンワックス」や「脱毛テープ」
ブラジリアンワックスとは、ハチミツなどを主成分とするワックスを塗り、その上にシートをのせて一気にはがし、毛を抜くという脱毛方法。
脱毛テープは、あらかじめワックス剤がテープについているものです。
どちらも、毛が抜ける際に痛みが伴うため、子宮が収縮してお腹が張る恐れがあります。
また、肌への負担も大きいため、妊娠中の使用はあまりおすすめできません。
ただし、妊婦さん専用コースがあるブラジリアンワックスサロンは、その限りではありません。
つわりの際は特に注意!ニオイがきつい「除毛クリーム」
除毛クリームは、チオグリコール酸カルシウムという酸性の薬品で、毛の主成分であるタンパク質を溶かして除毛をします。
この成分は、同じタンパク質でできた皮膚にとっても刺激になるので、敏感な妊娠時の肌には負担が大きくおすすめできません。
もう1つ、除毛クリームをおすすめできない理由は「ニオイ」です。
パーマ液や染色剤のようなツンとした独特なニオイがし、また、そのニオイを消すために香料を使用した商品も多いです。
つわり中の人は気分が悪くなる可能性があります。
妊娠中でもOKな脱毛方法
そんな妊婦さんに安心なムダ毛処理方法、それは電気シェーバーです。
電気シェーバーは、外刃と内刃で構成されていて、外刃で挟み込んだ毛を内刃でカットする仕組み。
鋭利な内刃が直接肌に触れないので、カミソリ負けや赤みなどの肌トラブルを心配せずに、ムダ毛処理ができます。
ただし、肌にやさしい電気シェーバーでも処理後の肌は乾燥しがちです。
使用後は、化粧水などを塗ってしっかり保湿しましょう。
妊娠中に脱毛するのにおすすめのサロン、クリニック、脱毛グッズ
脱毛はどのような方法であっても、少なからず肌に負担をかけるため、妊娠中は、基本的には脱毛をすること自体おすすめできません。
しかし、そんな中でも利用できるサロンや脱毛グッズがあります。
【ブラジリアンワックスサロン】条件つきで施術可能!
妊娠中に光脱毛ができるサロンはありません。
しかし、ブラジリアンワックスサロンのなかには、妊婦さんの体調に考慮したマタニティプランを設けているところがあります。
「妊娠中でもムダ毛のない肌でいたい」
「妊娠中は普段よりムダ毛が濃くなって気になる」
という方におすすめの、妊婦さんでも施術が受けられるブラジリアンワックスサロンを紹介します。
Brasilia(ブラジリア)
ブラジリアは、東京の中目黒にあるブラジリアンワックス脱毛専門のサロン。
体調を見ながらゆったりと施術できるよう、妊婦さんには通常よりも処理時間を長めに確保してくれます。
また、VIOのプランでは、時間内であれば、妊娠中に濃くなりがちなお腹周りも料金内で脱毛してもらえます。
完全個室で子供連れでもOK。以下の条件を満たしていれば安心して施術を受けられます。
- 安定期(妊娠5ヶ月以上)に入っている
- 経過が良好で体調に問題がない
- 20分程度仰向けになっていられる
MORENA(モレーナ)
モレーナは、東京の代々木にある日本で初めてシュガーワックスを取り入れた、ブラジリアンワックス専門サロンです。
シュガーワックス脱毛とは砂糖、レモン、水のみを煮詰めて作られたワックスを用いて行う脱毛のこと。
食べることもできる自然素材を用いているため、化学物質の経皮吸収の心配がなく、また、通常のブラジリアンワックスよりも痛みが少ないので、妊娠中でも安心して受けられます。
マタニティコースは、腰やお腹に負担のかからない低反発のリクライニングベッドを使用。希望により、アロマオイルでの妊娠線ケアも行えます。
完全なプライベート空間なので、上のお子さまを連れての来店も可能と、至れり尽くせりのサロンです。
【フェミークリニック】大手クリニックで唯一妊娠中の施術も可能
医療レーザー脱毛も妊娠中はほとんどのクリニックでNGですが、大手のなかで唯一可能なのがフェミークリニックです。
肌トラブルを防ぐため、通常より照射パワーを下げての施術になりますが、体調が良ければ、腹部やデリケートゾーン以外の施術が可能です。
妊娠中でも脱毛したいという方は、相談してみましょう。
【電気シェーバー】肌への負担が少なく妊婦さんでも安心
妊娠中のムダ毛処理には、電気シェーバーがおすすめです。
ヘッドが大きく広い部位も短時間で剃れるボディ用、細かい部位のお手入れがしやすいスティックタイプなど種類も豊富です。
合わせて読みたいレディース用の電気シェーバーによる女性のムダ毛処理方法について
パナソニック サラシェ 全身用
剃り味が良いことで人気の、パナソニックの全身用ボディシェーバー「サラシェ」。
刃が上下に動くため、肌の凹凸にピッタリフィットし、剃り残しができにくいのが特徴です。
ヘッドの手前ににはポップアップ式のトリマーがついているので、ビキニラインを剃るのではなく、量だけを減らしたい人にもおすすめ。
防水タイプなのでお風呂場でも使え、丸洗いができて衛生的です。
参考価格:3,040円
パナソニック フェリエ ボディ用
コンパクトで扱いやすい、スティックタイプのボディ用シェーバー。
薄刃で切れ味が良いのに、刃先が丸くて肌を傷つけにくいので、気になるデリケートゾーンも安全に処理できます。
また、ヘッド部分が左右に動くため、くぼみのある脇の処理にもピッタリです。
値段もお手頃で、妊娠中のムダ毛処理のためだけに購入しても惜しくありません。
参考価格:2,640円
出産後どのタイミングから脱毛できるの?
出産後、どれくらい経過したら施術が受けられるかの規定は、サロンやクリニックによって異なります。
「生理が2~3回きてから」、または「産後2~3ヶ月後」としているケースが多いのは、ホルモンバランスが妊娠前の状態に戻るのが、ちょうどその頃だからです。
各サロンやクリニックの対応をまとめました。
サロン/クリニック名 | 脱毛再開の条件 |
---|---|
ミュゼプラチナム | 母乳が止まり、生理が2~3回きてから |
エピレ | 産後3ヶ月以降(ワキ・胸・乳輪周りは授乳を終えてから) |
ディオーネ | 授乳期間が終わってから |
銀座カラー | 産後生理が2回きてから(ワキ・胸・乳輪周りは授乳を終えてから) |
ジェイエステティック | 産後生理が1回きてから |
湘南美容外科クリニック | 産後3ヶ月以降(乳輪周りは色素沈着の度合いを確認後) |
リゼクリニック | 授乳期間を終え、ホルモンバランスが整ってから |
アリシアクリニック | 産後生理が2回きてから |
脱毛と妊娠に関する疑問
脱毛と妊娠の関係について、気になる疑問をまとめました。
妊娠が分かった時点で脱毛を中断すれば問題ないので、安心してください。
たしかに、効率よく短期間で脱毛を完了するには、毛周期に合わせて定期的に施術を受けるのがベストですが、期間が空いたからといって脱毛効果がなくなることはありません。
完全に消えなかったとしても、白や肌色に近い痕なら問題なく施術が受けられます。
ただし、色が濃く、かゆみなどを伴う出産後すぐの妊娠線は、避けて施術する場合もあります。
避けなければいけない範囲が広いと、回数制限のあるプランでは1回の施術が無駄になってしまうので、まずはサロンやクリニックに確認しましょう。
光やレーザーは皮膚表面のごく浅い部分までしか届きませんし、体内を通過して内臓に何か影響を与えることもありません。
不妊との関係性もないので、安心して受けてください。
まとめ
妊娠中に脱毛の施術を受けることは、冷えやお腹の張り、乾燥などを引き起こすうえ、脱毛効果も低く、良いことがありません。
そして何よりも
と不安を抱えながら施術を受けることは、妊婦さんの精神衛生上、おすすめできません。
妊娠中のムダ毛処理は、肌への負担が少ない電気シェーバーを使いましょうね。